授業サポーターの目線で体感した”観光×起業マインド”
2025.10.18 融合学域 観光デザイン学類 学生生活 全ての方向け
こんにちは。お久しぶりです。スターボムです。この記事では授業「アントレプレナー基礎」で行われた1泊2日の合宿について書きます。この合宿については履修者の「抹香」による、参加者目線での記事がすでに上がっています。私は今回、授業サポーターとして同行した立場から、学生たちの活動の様子や、授業サポーターとして行ったことを紹介したいと思います。抹香は班活動の具体的な内容を細かく書いているのに対して、私の記事は全体的な動きからサポートメンバーが行った内容を記事として書いています。見比べてみると面白い発見があるかもしれないのでぜひ合わせて読んでみてください!
合宿に行ってきました!全編 https://innov.w3.kanazawa-u.ac.jp/articles/articles-3618/
合宿に行ってきました!後編 https://innov.w3.kanazawa-u.ac.jp/articles/articles-3626/
そもそもアントレプレナー基礎とはなんぞやと思っている人も多いかもしれませんが、これは融合学域にしかない授業となっており、「観光に関するアントレプレナーのプランを企画することで、アントレプレナーのマインドを得る」ことを目的として行われています。私は一昨年履修しており、能美市で「リピーターを増やすには?」という題のもとで施策を考えました。今回は加賀市の山代温泉を舞台に「山代温泉で働く20代の若者を増やすには?」という題で、私は「リピーター創出より難しい」と思いながら参加しました。でもよく考えると、観光客を増やす前にそもそも働き手がいないと地域が循環しないため、この視点はどこの観光地においても応用できると感じました。
まずは準備段階
授業サポーターとして最も悩んだのは、授業内で事前学習を行うメンバーと、合宿当日に活動するメンバーが異なっていたことです。
本来であれば、合宿前に当日の動きやフィールドワークの方向性を確認したかったのですが、今回の講義は学年を超えて組まれており、連絡を取る手段がありませんでした。この授業は1年生の必修科目ですが、総合教育部から移行してきた2年生や、編入してきた3年生も受講しており、学年をまたいだ構成になっています。普段あまり関わることのないメンバー同士でどれぐらい話合いが進んでいるか正直かなりハラハラしており、一時期はこのまま実りのない合宿になるのでは?と心配していました。
しかし、ありがたいことにサポーターの1人が班ごとにLINEグループを作り、そこにメンバーが参加することで班の繋がりができました。その後どうなるか見守っていたところ、各グループで自己紹介をしたり、フィールドワークの動き方を相談したりと、班ごとに進んでいることが分かりました。班ごとにしっかりと形になっていくのが見えてきて、「さすが金大生!」と、ちょっと感心しちゃいました。
待ちに待った当日!
山代温泉到着後、すぐにフィールドワークが実行されました。フィールドワークは、自分たちの感覚だけではなく、実際に自分の五感で体感することでその土地の良さや悪さも含んで見ることができるためフィールドワークを行うことに意味があると考えています。
私もサポーターと一緒に山代温泉を回りましたが、2・3年間の学びを活かし、他の班が足を運ばない奥まった場所にも立ち寄っていました。そこで見つけた特徴的な階段や仕掛けについて、「どうすればもっと多くの人に知ってもらえるか」といった話題で意見を交わしていたのが印象的でした。こうした発見や発想は、これまでの経験の積み重ねから生まれているのだと感じました。下の写真はフィールドワーク中に見つけた、石の階段です。普通の石段と違って、あいうえおが書かれており、散策者がどんどん上に行きたくなるような工夫がされていて、このようなユーモアさが大切だと感じました。私は思わず声に出しながら、意気揚々と階段に上がりました笑
他にもフィールドワーク中に景観学専門の先生とすれ違った際には「街路樹が気になる」とおっしゃっていました。私はちょうどQ1(金沢大学はクォーター制⦅4学期制⦆を採用しています)で景観デザインについて学んでいたため「確かに」と共感すると同時に、専門分野によって物事の見え方が大きく変わることの面白さを実感しました。例えば、私自身は山代ならではの建物やお店を探していたのですが、先生は木々の配置や種類、高さ、管理具合といった要素に注目していました。その視点から街を見ることで、「街路樹の存在が通りの印象や歩きやすさに大きく影響するのか」と、新たな気づきがありました。
↑山代温泉の中で見つけたあいうえおの階段
フィールドワーク後は、各班の壁打ち(アイディアや考えを誰かにぶつけて、反応をもらったり、整理したりする作業)に混ざって、アイディアのサポートを行いました。班からは「この先の考え方が分からない」や「山代ならではの良さが見いだせない」といった質問が多く寄せられ、アイディアの出し方や方向性について相談される場面が目立ちました。
質問にうまく答えられることもあれば、答えられないことも。まだまだ修行が必要だと実感しました。行き詰った班や少し議論がずれていると感じた班には、「初心に返るべき」、「今回の課題はこれだよ」と提示しアドバイスを行いました。これは、私が2年ちょっと学んできて、何回も感じた大事な事で、意外と簡単で難しいんですよ笑 初心に戻るということは、アイディア出しだけではなく、レポートを書く際にも大切にしています。
2日目は、スライド作りと発表を行いました。
私が1年生だったときは、アイディアを固めるのに時間がかかり、初日は深夜2時ごろまで壁打ちをしていたことを覚えています。しかし今回は、多くの班が夜の10時にはアイディアをまとめ終えており、とても優秀だと感じました。早ければ良いというわけではありませんが、その分じっくりとアイディアを深掘りする時間が増えるため、発表の質にも大きな期待を寄せていました。
いよいよ発表になり、それぞれ発表していくなかで一番驚いたことはプレゼン力の高さです。1年生とは思えないはきはきとしたしゃべりで、導入で笑いを取り、班の発表に引き込ませる姿や、例えを巧みに使い聴衆側にイメージを持たせた発表は非常にレベルが高いと感じました。私も負けていられない!と心の底から思いました。どの班もしっかり考えられており、2日間のクオリティとは思えない素晴らしい発表だと感じました。
授業に参加して
この2日間と準備期間を通して、授業を運営する側の苦労と、観光デザイン学類の将来に対する大きな希望を感じました。
履修者にとっては、実践的な学びに初めて挑む機会であり、戸惑う場面もあったと思いますが、それを乗り越えてやり遂げたことは大きな自信になるはずです。
この授業の魅力は、実際に地域に足を運び、現場で課題に向き合えることです。そして、1日目に案を練り、2日目に発表というテンポ感のある進行です。タイトなスケジュールだからこそ、全員が本気で取り組み、その場でしか生まれないアイディアやチームの一体感が生まれます。私自身も、1年生のときの学びを活かし、もう一度成長したいという思いでサポーターとして参加しました。実際に過去の授業内容と結びつく瞬間が何度もあり、積み重ねた学びが活きていると実感しました。
今回の授業に携わってくださった外部講師の皆様をはじめ、観光デザイン学類の先生方、履修者の皆さん、そして一緒に運営にあたったサポーターに感謝します。この経験で得た気づきや熱意が、今後の観光デザイン学類の活動につながることを願っています。そして、この記事を読んでくださった皆さんが、観光デザイン学類の講義に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
以上、スターボムでした!