二水高校生の探究キャンプを融合学域でサポートしました!
2025.08.18 融合学域 先導学類 ニュース イベント
7月30日から8月2日までの4日間、石川県立金沢二水高等学校(以下二水高校)2年人文科学コースの生徒たちが金沢大学自然科学本館にて夏の探究キャンプを実施しました。二水高校と融合学域は、昨年度からGlobal Standard探究活動への協力依頼を取り交わし、その学習を本学域がサポートしています。今年も昨年と同様に、通常の探究学習への拡がりを持たせるべく、夏の探究キャンプではデザイン思考を学びました。本学域先導学類の有賀三夏先生が講師となり、融合学域の学生と、有賀先生のゼミ生や大学院の研究生も加わり、4日間の学びをサポートしました。
今年のテーマは、「金沢大学にインクルーシブな公園を作るなら?」ということで、金沢大学の角間キャンパスを8つに区分し、8つのグループがそれぞれの地区を担当し、公園をデザインしました。
デザイン思考とは、デザイナーの思考を理論化した考え方のことです。高校生にとっては初めて知る思考法だったと思いますが、この考え方を知ることで探究学習がより深く広くなることが期待されます。
今回は通常8回の大学生向けの授業を4日間に凝縮し、共感(Empathize)、問題定義(Define)、創造・概念化(Ideate)、試作(Prototype)、テスト(Test)、のデザイン思考の5つのステップに沿って進めました。
初日は、各グループに融合学域の学生がガイドに付き、担当の地区を視察し、具体的な場所のイメージを持ちました。その後、有賀先生のデザイン思考についての講義が始まり、まずは各グループで公園を利用する人のペルソナを設定し、そこから公園のデザインを考えました。デザインにあたり、設定したペルソナの気持ちになって、どのような公園があればよいだろうかと考え、段ボールやビーズなど、様々な材料で工作しながら、約3日間で公園の模型を試作しました。その後、その公園をどのように使うかを各グループで寸劇に仕立て、最終日に発表しました。グループワークには、ゼミ生、大学院生が終日サポートに入ることで、高校生がスムーズに学びを進めることができました。
公園利用者のペルソナとして、金沢大学の留学生、兼六中学校サッカー部の部員、孫と余暇を過ごす祖父母、授業で忙しい金沢大学学生などを設定し、デザイン思考の手法に沿いながら故国の海を感じられる公園、お菓子でできた公園、部活の間に休憩できる空、海、森を感じられる公園、サウナと癒しのある公園など、わくわくする素敵な公園を作り上げました。その後の発表も、高校生ならではの斬新な寸劇に仕上がり、講評した有賀先生もゼミ生たちも、夢のあるインクルーシブ公園の提案に圧倒され、大きな刺激を受けました。
高校生にとっては、最終的に自分達のアイディアを体で表現することは大きな勇気が必要だったと思いますが、この発表を通じてデザイン思考が身に着き、チームワークが深まり、2学期以降の探究学習の幅が広がることを、有賀先生一同期待しています。ゼミ生や大学院生も、デザイン思考やSTEAM教育の実践の場となり、研究の深さと幅を広げる機会となりました。
また、今回は金沢大学を会場にしたので、オープンしたての未来知実証センターの見学と、融合学域並びに文系で受験できる金沢大学の各学類から在学生を招いた交流会も開催しました。大学での学びについても視野が広がる4日間となりましたら幸いです。
最後に、今回のテーマであるインクルーシブな公園と遊具につきましては、株式会社岡部のご協力もいただき、発表したアイディアは今後実現するかもしれません。有賀先生による高大産学官連携のモデルケースの一つになれば幸いです。