【学生生活】融合学域を卒業すると、どうなるの?
2023.09.25 融合学域 先導学類 全ての方向け 受験生 企業
この記事を見てくださったあなたはもしかすると受験生だったり、
もしかすると親御さんだったり、はたまた本学の他学域の学生かもしれません。
「融合」という非常に抽象度の高い言葉が「学域」の名前に使用されていると、
一体何をやっている学域なのかパッと理解することが難しいです。
学生ライターの過去記事にも「融合って何をしてるの?」と質問されて困った、
という記事を見かけました。
そこで、本記事では「融合学域を卒業すると、どうなるの?」という問いに私なりの見解を添えてみようと思います。
さきほどの質問を受けた記事で、執筆者は
「色々な学問のいいところ取りができる」と結論付けていました。
しかし、ここで考えられる意見や疑問は以下のようなものではないでしょうか?
・高等教育における学問は体系的な学習を通じて得られる深い根のような知識ツリーである
・「いいとこどり」なんかできないよ。
・イノベーションなんて勉強だけしてても無理だよ。
仰る通りだと思います。
そこで、このような意見や疑問に一部ではありますが、
過去の記事に付け加える形で具体的に学生が行っていることや
その成果や学生の学びを一部ではありますが私からお伝えすることで、
上記のような意見や疑問の一部を解消してみます。
そして、この問いに答えることで
「融合学域を卒業すると、どうなるの?」
を私と一緒に考えてみましょう。
実態が見えない学域であることは、受験を考えてくださった皆さんにとっても、
そして本学に所属する私たちにとってもアンハッピーなので・・・
例えば、私を例にしてみましょう。
総合教育部から2年次に融合学域へと移行してきた私は皆さんと同じような疑問を抱きました。
※金沢大学の入試方式である「文系・理系一括入試」で入学した学生が、1年次に所属する部門が「総合教育部」です。2年次から各学類に成績順で所属することができます。
※私のバックグラウンドについてはこちらの記事に記載しています。
設立2年目に突入したばかりの学域にあることといえば、「何もない、ゆえに自由」ということです。
私は他の学生たちが何をやっているのか、どんな学域なのか、
本学の学生でありながら1年生の時は全く融合学域のことをわからなかったので、
他の学生に聞いて回っていたのですが、いまいちピンとこないし、時間もかかります。
時間をかけてじっくりと話をしてみないと、実際に聞いてみて面白い話というのは聞けなかったりします。
そこで、面倒くさがりの私は
「学生を一堂に集めて、融合の他の学生がどんなことをしているかを一気に聞けば効率がいいのでは?」
と思い、楽をするための苦労を惜しまないことにしました。
- まずはイベントを企画します
- 登壇者を呼びます
- みんなの話が聞けてハッピーです
一番重要なところを端折りましたが、こんな感じで活動をつづけながら、
徐々に組織化していき現在に至ります。
あとはこれを仕組みとして残しておけば、自分だけでなくほかの学生のためにもなります。
そして何よりも、学生自身が自分たちが何をやっているのか、
そして他の学生たちと「どのように協働できるか」ということを考えるきっかけになります。
1人だけでできることには、限りがあるのです。
自分の楽しいこと・好きなことを追求した結果として、私はこのようにイベントを開くきっかけになりましたが、
自分だけが楽しめるのではなくその理想に共感してくれる人を見つけられるようにすると、
みんながハッピーになります。
個人で活動するよりも、規模を大きくすることで仕組みとして残り続けるのでサステナブルです。
今では、学生数名で融合学域StudentUnionとして、融合学域の学生を紹介するイベントを開いたり
キャリアコンサルタントの方をお呼びして進路相談会を開いたりと
学生による学生のための活動も行っています。
他方で、経営学系のゼミに所属しながら複数の企業さんとの共同研究を通じて、価値論やWell-beingなどに対する学術的な知見を深めるための勉強・研究も行っています。
他にも以下のような人々がいます。
・自分でBook Cafeを経営している学生
・小松市のJAの再創プロジェクトを行う学生
・タイに渡航し、国内企業の販路拡大を行う学生
・地方型移動支援事業の立ち上げや副腎腫瘍の機能性診断AI開発を行う学生
・起業部の運営
etc…
とまあ、このような形で各々が目的意識をもって
何らかの実践的な活動に日々の学びを落とし込んでいます。
大学での「学問・学び」とは確かに、ツリー形式の縦に伸びた体系的な知識を習得することですが、
それはそれとして、経験的にしか習得できない学びを日々の活動を通じて得ようと心がけています。
融合学域に所属する私たちは、いわゆる”意識高いこと”だけをやってるようにも見えますが、
それは従来の大学の「学び」=専門分野を疎かにすることとは一線を画します。
様々な活動を通じて専門領域を暫定的に定めつつ、自分たちの軸の1つとしながらプラスαで、
「本当に価値のある事」は何か?を見極める力を養成しています。
ここを疎かにすると、時間はあっという間に溶けてなくなってしまいます。
がむしゃらに何かをやっていればいいわけでもないです。
融合学域にいなければ身につかないわけではないですが、
この力が身に着くのは少なくとも他の学域・大学にはない特徴かもしれません。
話を少し元に戻すと、
「融合学域は何をしているのか」=「融合学域を卒業すると、どうなるの?」という問いに答えることが、
この記事の目的でした。
簡潔に答えるとすれば、
「各々にとって本当に価値あることが何か見極める力が身に着く」ことになります。
「なんであなたはそれをやっているんですか?」という質問に対して答えられる人は、
そう多くありません。
もしこれを見ているあなたが融合学域に来てくれたとします。
あなたが卒業するころには、何らかの分野においてこの問いに対する答えを出せるようになっているのではないでしょうか。
少なくとも私は、運営している組織と研究分野において、
「私と、協力者にとって本当に価値あることは何なのか」を見極めるべく、
日々を過ごすようにしています。
全てに対して説明的になる必要はないですが、自分の人生に納得感を持ちたいのであれば、
私たちと一緒に、研究やその他の活動を通じて学びを深めてみるのもいいのではないでしょうか。
執筆者:柊